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東北大学医学系研究科 生物化学分野

成果等

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成果等

2016年における生物化学分野の成果情報です。

2016年12月28日
島 弘季博士が「優秀ポスター賞」を受賞しました。

島弘季博士が第39回日本分子生物学会年会において、「優秀ポスター賞」を受賞しました。受賞演題は「S-アデノシシルメチオニン合成酵素MAT2Aの発現は3’UTRアデニンメチル化が介するmRNA安定性により制御される」でした。本賞は、研究発表ならびに質疑応答の内容と将来性および発展性が期待される研究に贈られます。おめでとうございます。

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2016年10月26日
「鉄代謝と遺伝子制御」についてのレビューを発表しました。

渡部(松井)美紀(日本学術振興会RPD特別研究員)らは、実験医学 34:2475-2480 2016 (NO.15:77-82)にて「鉄代謝と遺伝子制御」というタイトルでレビューを発表しました。

生体内で鉄およびヘムは、タンパク質と結合し、活性中心を形成し電子伝達や酸素運搬といった必須の機能を担います。一方で、生体内の鉄・ヘム濃度が上昇すると、酸化ストレスやDNA損傷などを引き起こし、細胞にとって強い毒性を示す側面もあります。従って、鉄やヘムを効率良く安全に利用するために、その動態に関わる遺伝子群は厳密な制御を受けます。本稿では、細胞内におけるヘム・鉄濃度変化に伴う、遺伝子発現制御に関する最近の知見を概説するとともに、我々が転写因子Bachの研究を通して新しく発見した「ヘムによる天然変性タンパク質の制御」の機構について説明しています。
図.配位および配位ヘム結合を持つBach2の天然変性領域の構造変化模式図

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2016年7月19日
佐藤好宏博士(2015年度博士課程修了)が「会長賞」を受賞しました。

当分野にて2015年度に博士課程を修了した当科消化器外科学分野の佐藤好宏博士が「第23回外科侵襲とサイトカイン研究会」において、「会長賞」を受賞しました。受賞演題は「多層的オミックス解析による門脈結紮後の肝再生分子メカニズムの解明」です。肝臓は再生能力が高いことが知られていますが、その再生メカニズムの詳細は未だ良くわかっていません。佐藤さんは門脈結紮後、再生してくるマウスの肝臓におけるタンパク質発現、遺伝子発現およびヒストン修飾の網羅解析(オミックス解析)を行い、それら多層の結果を俯瞰的に捉えることで、ある転写因子が門脈結紮時の肝再生に関わることを見出しました。佐藤さんは博士課程を通して、まだ新しく難しい多層的オミックスの解析に果敢に取組み本成果を得ました。本当におめでとうございます。

佐藤好宏博士「会長賞」受賞

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2016年7月8日
Bach1/Bach2欠失による肺胞淡白症発症のメカニズムに関する論文を発表しました

二型肺胞上皮細胞で合成・分泌される肺胞サーファクタントは、大部分が脂質から成り、肺胞の虚脱を防ぐ働きを持っています。肺胞マクロファージは、肺胞サーファクタントを貪食・処理する機能を持ち、肺胞内の肺胞サーファクタントの量を一定に保っています。肺胞マクロファージの脂質代謝機能が異常になると、肺胞内に余剰な肺胞サーファクタントが貯留し、肺胞蛋白症と呼ばれる致死的な疾患を発症します。我々は以前、転写因子Bach2欠損マウスが肺胞蛋白症を発症することを報告しました(JEM, 2013)。本研究では、Bach1/Bach2二重欠損マウスで肺胞蛋白症が重篤化し、肺胞マクロファージの機能維持においてBach1とBach2の間に相補的機能があることを発見しました。また、肺胞蛋白症の発症に酸化ストレスの関与がある可能性が示唆されました。本研究は渋谷里紗博士(現・呼吸器内科)の大学院博士課程で実施した研究成果に基づいており、「The Journal of Biochemistry」にて発表されました。

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2016年6月8日
渋谷里紗博士(2015年度博士課程修了)が「Young Investigator Award」を受賞しました。

当分野にて2015年度に博士課程を修了した当科呼吸器内科学分野の渋谷里紗博士が、「第24回マクロファージ分子細胞生物国際シンポジウム」にて「Young Investigator Award」を受賞しました。本賞は若手研究者の優秀な発表に授与される賞です。受賞演題は「Bach2 keeps homeostasis in lung by regulating inflammatory response and maintaining function of alveolar macrophage.」です。Bach2欠損マウスは重度の肺胞タンパク症を発症します。渋谷さんは博士課程進学当初から、その発症メカニズムの解明についての研究に精力的に取り組んできました。その中でBach2がマクロファージを介して肺に影響を与えることを見出し、今回の発表に至りました。本当におめでとうございます。
講演中渋谷里紗博士「Young Investigator Award」を受賞

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2016年6月3日
Bach1の脂肪細胞分化制御についての論文を発表しました

松本光代助教らは、Genes to Cells誌にBach1の新規機能の1つとして、不死化MEF細胞の脂肪細胞化を抑制していることを報告しました。今回、Bach1が老化を回避した不死化MEF細胞において、Ppargを含む幾つかの脂肪細胞分化関連因子の転写を抑制していることを発見し、これが不死化MEF細胞の脂肪細胞への分化の抑制に関与していることを見出しました。本研究は当科代謝疾患学分野の近藤敬一博士等、近畿大学生物理工学部食品安全工学科の白木琢磨博士、当科細胞増殖制御分野の舟山亮博士等の共同成果です。

BACH1はPpargを介して不死化MEF細胞の脂肪細胞分化を抑制する

BACH1の脂肪細胞分化を抑制

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2016年6月3日
Bach2ヘム結合天然変性領域に関しての論文を発表しました

渡部(松井)美紀 (日本学術振興会RPD特別研究員)らは以前、ヘムが転写因子Bach2に結合すると、形質細胞への分化が促進することを明らかにしました(Blood, 2011)。更に、ヘムによるBach2タンパク質の制御機構の解明する上で、2015年に、Bach2タンパク質のヘム結合領域が立体構造をとらない天然変性状態であること、そして、その構造がヘムによって変化することを報告しましたArchives of Biochemistry and Biophysics(ABB)誌。これらの成果に基づき、今回、渡部(松井)美紀 と、医工学研究科 村山 和隆 准教授らは、ヘムによる調節機構を探るため、Bach2の天然変性領域にあるヘム結合モチーフの変異体を作成し、分光法・質量分析法の解析を行いました。その結果、Bach2の2つのヘム結合様式(5配位、6配位)のうち、5配位ヘム結合様式に関して、Bach2のコンホメーション変化への影響が明らかとなり、ヘムによるBach2の天然変性領域の制御の重要性が示されました。本研究は、the journal of Biochemistryに発表されました。

Bach2天然変性領域

Bach2天然変性領域

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2016年6月3日
Bach2のBlimp-1遺伝子発現調節に関する論文を発表しました

抗原により活性化されたBリンパ球において、転写因子Bach2は形質細胞分化のマスター転写因子Blimp-1の遺伝子発現を抑制して、形質細胞分化を一旦停止させ、その間にクラススイッチを実行させる役割を報告してきました。しかし、Bach2の転写抑制のメカニズムは不明でした。そこで、B細胞株よりBach2の蛋白質複合体を精製した結果、ヒストン脱アセチル化酵素HDAC3を含むNCoR転写抑制共役因子複合体およびRif1を同定しました。そして、Bach2複合体がBlimp-1をコードするPrdm1遺伝子に直接結合し、周囲のヒストンを脱アセチル化して転写を抑制するというメカニズムを明らかに出来ました。本論文は、田中拡博士(現・小児外科)の大学院博士課程で実施した研究成果に基づいており、2016年J. Biol. Chem. 誌に発表しました。複合体精製は、(公財)がん研究会の野田哲生博士および星川裕博士、京都大学の井倉毅博士と生物化学分野所属の島弘季博士、Sax Nicolasさん、医学科田島信弥さん達との共同研究成果です。Bach2複合体構成因子のRif1については、(公財)東京都医学総合研究所の吉沢直子博士および正井久雄博士との共同研究成果です。

Bach2はBlimp-1プロモターのMAREに結合する

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2016年4月22日
Inner Myeloidという概念について総説を発表しました

五十嵐教授と伊藤亜里博士(現東北大加齢研助教)がCurrent Opinion in Immunology誌にBリンパ球と骨髄球の分化の関係を転写因子ネットワークから考察する総説論文 “Orchestration of B lymphoid cells and their inner myeloid by Bach.” を発表しました。 形質細胞では骨髄球系遺伝子の一部が再活性化することに注目し、Inner Myeloidという概念を提唱しています。遺伝子発現パターンの形成と維持機構から細胞分化とその異常(がんなど)を理解していきたいと考えています。

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