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東北大学医学系研究科 生物化学分野

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生物化学分野のトピックスです。

2018年10月12日
Bach因子が赤血球系細胞の分化を促すことを示した論文を発表しました

これまで私たちの研究室では、ヘムにより抑制されるというユニークな特徴を持つ転写因子Bach1及びBach2がリンパ球系細胞とミエロイド系細胞 (顆粒球やマクロファージなど) の共通の前駆細胞でミエロイド系遺伝子を抑制することで正常なリンパ球系細胞の分化を促すことを明らかにしてきました。今回の研究ではさらに本知見を発展させ、Bach1とBach2が赤血球系細胞とミエロイド系細胞の共通の前駆細胞でミエロイド系遺伝子を抑制することで正常な赤血球系細胞の分化を促すことを明らかにしました。また、Bach1とBach2は各種感染性刺激により抑制される為、環境変化に応じた造血幹・前駆細胞の分化調節に重要な役割を果たす可能性が考えられました。さらに、代表的な造血器腫瘍の一つである骨髄異形成症候群ではBach2の発現が有意に低下している所見が認められました。本研究から、Bach1やBach2の機能低下が貧血などの血液疾患の原因の一つである可能性が示唆され、新たな治療標的になりうるものと期待されます。本研究は加藤浩貴博士が生物化学分野に在籍中に行った研究で「Nature Immunology」にて発表されました。
Bach因子による赤血球系細胞分化制御機構

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2018年3月29日
2017年度送別会

3月15日、送別会を行いました。今期の送別対象者は、博士課程修了の鈴木一史さん、修士課程修了の猪股玲美さん、保健学科卒業の杉江奈穂さんと北澤里佳子さん、補助員の佐藤理奈さん、技術補佐の渡邉慶子さん、船木智さん、そして、ジャーナルクラブ等で当ラボの準レギュラー!?として共に過ごしました薬学研究科博士課程修了の田中伸明さんの8名でした。修了およびご卒業の5名はおめでとうございます!!皆さん新天地での出発になりますが、今後のご活躍を祈っております。技術補佐員と補助員の方々には個人的にも全体的にもラボメンバー全員がお世話になりました。感謝のひと言に尽きます。また、本会にはOBや旧基礎修練生も参加してくれ、送別される方を思い、寂しくもとても嬉しく楽しい会となりました。

一次会集合写真
鈴木さんおめでとうございます 猪股さんおめでとうございます
杉江さんおめでとうございます 田中さんおめでとうございます
佐藤さんありがとうございました 渡邉さんありがとうございました
船木さんありがとうございました 今期幹事お疲れ様でした
今後のご活躍に期待しています!

二次会集合写真
二次会にて二次会にて

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2018年3月13日
細胞分裂期におけるBACH1タンパク質の新たな機能と、その機能スイッチのメカニズムが明らかになりました

これまで私たちの研究室では、BACH1タンパク質が転写因子として、酸化ストレス応答や細胞分化に関わる遺伝子の発現を調節することを明らかにしました。本研究ではBACH1タンパク質の細胞分裂期における新たな機能として、染色体分配装置である紡錘体形成因子と相互作用し、紡錘体の方向決定に関与することを明らかにしました。また、分裂期にはBACH1タンパク質のC末端領域のいくつかのセリン・スレオニン残基がリン酸化され、このリン酸化が紡錘体方向決定に重要であることがわかりました。これらのことから、BACH1タンパク質は、細胞周期間期の転写因子としての機能に加え、分裂期には紡錘体形成因子としての機能を持ち、細胞周期依存的なリン酸化がこの二つの機能のスイッチとなっていると考えられます。
本研究は大学院博士課程に在籍した李婕博士らによる成果で、Biochemical Journal誌に発表されます。

BACH1による分裂制御1BACH1による分裂制御2

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2018年2月27日
転写因子Bach2による活性化B細胞のBCR応答性の細胞増殖の促進メカニズムを明らかにしました

血液細胞は、ヒトの全細胞(約3 x 1013個)のうち推定90%もの大部分を占め、造血幹細胞から成熟血液細胞へ分化する過程では細胞増殖が厳密に調節されます。Bリンパ球(B細胞)は、抗原で活性化されると細胞増殖を開始し、抗体を分泌する形質細胞へ分化します。その過程で、一部の活性化B細胞はクラススイッチ組換え(CSR)を実行し、抗体のアイソタイプをIgMから他のアイソタイプ(IgG, IgA, IgE)へ変換(スイッチ)します(図A)。私たちは、転写因子Bach2が形質細胞への分化を抑制することが、CSRの実行に必須であることを明らかにしてきました (2010 EMBO J., 2016 JBC)。しかしながら、活性化B細胞での細胞増殖調節におけるBach2の関与は不明でした。
Bach2ノックアウトマウス由来のB細胞には、B細胞受容体(BCR)刺激で誘導される増殖応答に障害があります。本研究で、この表現型の原因を追求した結果、Bach2がBclXLの発現を活性化に寄与し、アポトーシスを抑制すること。同時に、CDK阻害タンパク質をコードする遺伝子Cdkn1a(p21)、Cdkn2a(Arf)およびCdkn2b(p15INK4b)の転写をBach2が直接抑制することで細胞増殖を促進することを突き止めました(図B)。
本研究で明らかにしたBach2が細胞増殖を促進する役割は、従来から知られていたCSRの実行には細胞増殖が必須条件であるという機構の一端を解明したと考えています。
本研究は、三浦祐一 博士(岩手県立磐井病院)と諸岡瑞穂さん(岩手県立中央病院)が、生物化学分野に在籍中におこなった研究成果で、「The Journal of Immunology」にて発表されました。

Bach2による活性化B細胞のBCR応答性細胞増殖促進メカニズム

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2018年1月9日
ほ乳類細胞におけるSAM量調節機構の一端を明らかにした論文を発表しました

細胞内におけるメチル化反応は、ヒストン、DNAおよびRNAの修飾を介したエピゲノム制御や、脂質などの生体物質産生に関わる、きわめて重要な反応であると考えられています。これらのメチル化は多種多様なメチル基転移酵素によって触媒されますが、その反応のほとんどでメチル基の供与体として利用されるのが、S-アデノシルメチオニン(SAM)と呼ばれる物質です。細胞内SAM量が過不足なく維持されることは、細胞内メチル化反応が適正に進行するために重要であると考えられます。この研究では、哺乳類細胞でSAMを合成する酵素であるメチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A(MAT2A)の発現量が、細胞内SAM量に応じてフィードバック調節されるしくみを明らかにしました。
具体的には、細胞内SAMが減少したとき、MAT2AのメッセンジャーRNA(mRNA)が安定化され発現量が増加すること、このmRNA安定化には、3’ 側非翻訳領域(3’ UTR)に複数存在するヘアピン構造に生じるN6-メチルアデノシン(m6A)修飾が重要であること、さらに、このm6A修飾を行うメチル基転移酵素がMETTL16であることとともに、m6A結合タンパク質YTHDC1が関与することを示し、哺乳類細胞においてSAM量を適切に保つための機構の一つを見い出しました。本研究は当研究室島弘季博士らによる研究成果で、「Cell Reports」にて発表されました。

MAT2A mRNA量の調節を介したSAM量の調整

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2017年12月14日
2017年_忘年会

12月14日、忘年会を行いました。今回の忘年会も保健学科卒業研究打ち上げ、基礎医学修練生途中慰労、鈴木さん博士号一次審査終了などなど、いろいろ兼ねて行われました。そして、今年も「2017年生物化学ニュース」の投票が行われ、一人3つ一年間のニュースを紙に記載し、幹事(佐藤正規さんありがとうございます)が集計して各ニュースを発表してくれました。1位から3位までを的中させた上位3名には五十嵐先生から副賞としてワインが贈呈されました。1位は渡邉さん、2位池田君、3位目黒さんでした。また、日々ラボメンバーに心を配って下さっている秘書の目黒さんは、この恒例化しつつある行事がはじまってからというもの連続のワインゲット!さすがです!感謝です!!今年の3大ニュースは下記通りでした。
1.五十嵐先生医学部長、研究科長ご就任
2.加藤さん、ご長男誕生
3.島先生、 Cell Reportsアクセプト

2017年ラボニュースをずばり当て、五十嵐先生から頂いたワインと共に!

一次会後、常禅寺通りのイルミネーションを背景に集合写真!

二次会後、お店の前で。クリスマス気分!?

新しい仲間が2名加わりました。右からMahabubさん、五十嵐先生、劉さん

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2017年12月9日
渋谷里紗博士が「JB論文賞」を受賞しました

渋谷里紗博士が公益社団法人日本生化学会の「JB論文賞」を受賞し、12月9日に受賞式が行われました。平成29年度の本賞は2016年1月~12月に発行された生化学会の英文誌「Journal of Biochemistry」に掲載された論文が対象となり、その中で特に優れた論文9件に与えられました。受賞論文は「The double knockout of Bach1 and Bach2 in mice reveals shared compensatory mechanisms in regulating alveolar macrophage function and lung surfactant homeostasis」です。渋谷さん、おめでとうございます。

神戸ポートアイランドでの授賞式にて

神戸ポートアイランドでの授賞式後、会場入口にて

論文内容紹介へのリンク
日本生化学会受賞者一覧へのリンク

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2017年9月19日
肺胞蛋白症発症機構の1つとしてのT細胞と肺胞マクロファージにおけるBach2機能の重要重要性を論文に発表しました

肺胞マクロファージは、二型肺胞上皮細胞で合成・分泌される肺胞サーファクタントを貪食・処理する機能を持ち、肺胞内の肺胞サーファクタントの量を一定に保っています。我々は以前、転写因子Bach2欠損マウスでは肺胞マクロファージの脂質代謝機能が異常になり、肺胞蛋白症を発症することを報告しました(JEM, 2013)。本研究では、Bach2遺伝子欠損マウスでは肺胞マクロファージ特異的な遺伝子発現パターンを失う一方で、脾臓赤脾髄マクロファージや腹腔マクロファージに特異的な遺伝子発現パターンを示しており、ChIP-seqの結果からBach2はIl6を含む多くの炎症関連遺伝子や、SpiCなどを含む脾臓赤脾髄マクロファージ特異的な遺伝子に結合してその発現を抑制していることを明らかにしました。また、これまでBach2は転写抑制因子であると考えられていましたが、Bach2は多くのヒストン遺伝子に結合し、それら遺伝子の発現を促進していることも明らかとなりました。
我々は、インターフェロンγなどのサイトカインが肺胞マクロファージの遺伝子発現異常をもたらすことを発見しました。Bach2はT細胞において炎症性サイトカインの発現を抑制し、一方でそれらサイトカインは肺胞マクロファージにおいてBach2の発現を誘導することが明らかとなり、これらの結果から、Bach2は、肺胞マクロファージにおいて、炎症反応に応答した機能喪失を抑えるguardianとして機能していると考えられました。さらに、抗体を用いてCD4陽性T細胞を枯渇させたところ、肺胞蛋白症が治癒することを見出し、T細胞を標的とした治療が肺胞蛋白症の新規治療となりうることを発見しました。
本研究は渋谷里紗博士(現・呼吸器内科)らによる研究成果で、「The Journal of biological chemistry」にて発表されました。

肺胞マクロファージにおけるBach2の機能

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2017年7月7日
安藤亮博士が「大井賞」を受賞しました

東北大学小児外科学教室同門会(萌黎会)にて、安藤 亮博士が「大井賞」を受賞しました。本賞は最も優れた英文論文発表者に送られる賞です。受賞講演では現在小児外科の臨床医として働く上で、研究生活で身についた論理的な考え方が活きていることにも触れたそうです。本当におめでとうございます。

受賞講演

論文内容紹介ページへのリンク

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2017年7月7日
鉄欠乏性貧血に関する論文がJSTのサイエンスレポートで紹介されました

JST(科学技術振興機構)による「Science Portal」は、日本学術会議の協力のもと、一般の人々が科学技術に対する興味と理解を深めるのに役に立つ情報、研究者・技術者・学生が、研究・開発活動を進めるために必要とする情報を効率的に入手できるウェブサイトとして平成18年6月から公開されているサイトです。その中で、記者・ライター・若手研究者が注目するサイエンストピックとして「Sicence Clip(サイエンスクリップ)」(6月13日)に、当ラボでの鉄欠乏性貧血における研究成果が《鉄欠乏性貧血に迫る。赤血球内の物質ろ遺伝子発現変化を発見》との見出しで紹介されました。

論文内容紹介ページのリンク
Science Portalへのリンク

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